ワトスンが訪ねた時、ホ−ムズはでかけていた。
其の間、セントクレア夫人が訪れて主人が2日間戻ってこないという。麻薬をやっていて、いつもなら1日で済んで朝出て帰ってくるのだが、今回は2日間戻ってこないという。
銀の延べ棒という店にいると いう。ワトソンが一人でいく。
この時代は一般人が麻薬をやっているということは、めずらしいことではないのかもしれない。でもやはり、絶対やってはいけないことだ。体がぼろぼろになってしまう。なぜわからないのか、いかりをおぼえる。 出かける時、ハドスン夫人がホ−ムズ先生が帰ってきたら、なんといいましょうかと訪ねた。
「私は煙のごとく消えうせた」と いつもホ−ムズがいうことをワトソンは言った。其の場所は麻薬をやっている人間の溜まり場みたいなところである。探している 最中いきなり腕をつかまれる。それは麻薬常習者に変装したホ−ムズであった。敵を探しているとのこと。セントクレアを見つけ 馬車で夫人の元に送り返した。
ホ−ムズとワトソンはケント州にむかう。ある時夫人は海軍事務所から電報が届く。小包が届けられているので受け取りにでかけた。
だが、スラム街に間違って足を踏み入れ、主人を見つける。其の建物の2階にいたので いこうとすると誰もいないと追い出されてしまう。警察に助けを求め、調べた。娘の誕生日にとつみきもあり、主人の服もあり、窓枠に血痕があった。外套も見つかった。夫人はホ−ムズに主人は生きているか率直にいってほしいといった。ホ−ムズは無理だといった。
怪しいと思ったこじきの男が牢屋に入っていた。其の男に会うためにきたのだが、ホ−ムズは自分の勘違いに きずいたのだ。牢屋にいる其の男に顔を洗い水をかけたら、探していたセントクレア其の人であった。
いきさつを話す。 親は校長でそれなりに自分は教育をうけていた。舞台の俳優もしたことがあるという。その後ロンドンで新聞記者になり、 物乞いの特集記事を載せることになり、できるだけ無残な格好をし、ロンドンの一番にぎやかなところで物乞いをした。1日26 シング4ペンスになった。それで終わったのだが、友人のために手形をかぶり、どうしたらよいか思案して、物乞いをして、金ができ支払う。それからはわなにかかったように物乞いに変装し、年間700ポンドかせぐ。
夫人にはわかってしまったことだから、 二度と物乞いをしないようにホ−ムズはセントクレアに約束をした。こじきの衣装を焼いた。犯人として疑われて、あとで自分 はいきているといわれても信用できないのではないか。ホ−ムズがみやぶったからいいようなものの、そうでなかったら、とんでもないことになってしまう。
一生刑務所ぐらしかもしれない。