ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法2」/23
アニメーション基本原則6-1・「スロー・インとスロー・アウト」(両端づめ)
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アニメーション原則のご紹介も続々と進んでいます。
今回はアニメーション基本原則6、「スロー・インとスロー・アウト」その1。
6番目のアニメーション原則スローイン・スローアウト
カテゴリー6、スロー・インとスロー・アウト(両端づめ)。
あるカットのイラスト原画(「極めの絵」エクストリームと言う)をアニメーターの皆さんがきちんと書き直し、最高の状態に仕上げてしまうと、アニメーターは当然それを観客に見せたいと考えます。
1枚のキーになる原画(キー・ドローイング)から、次の原画へ素早く進むようにタイミングを取り、そのカットの大部分のイラストが「極めの絵」そのものか、それに近いものばかりになるようにするのです。それぞれの原画の近くに中割り(動画)をつめて配置し、中割りはスロー・インとスロー・アウトと名づけられました。
この手法を使うと、アクションが機械的になり、そもそもの狙いだったキャラクターの生命感が失われてしまいますが、この手法が発見されたおかげで、タイミングや演出の手法が洗練されていくことになったのです。
ウォルトディスニーは、アクションを詳しく分析し、生き物の体の動き方を理解するよう、アニメーターに求め続けました。リアルな動きほどアニメーションの完成度が高まります。
リアリズムと抽象化というウォルトディズニー、彼の狙いを達するには・・・
ウォルトディズニーの狙いを達成するにはそれしか方法がありませんでした。
そうするしかなかったのです。
「誠実さが感じられる作品をつくるためには、事実を基本にしなければならない。
傑作コメディーは、必ず事実を基礎にしている」。
「他の制作会社(ディズニーアニメーション制作会社以外)から移ってきたアニメーターは、ディズニーのスタッフを見て「動作のメカニズムにここまで興味を持つことに驚いた」と言ったそう。
ディズニーアニメーターの1人、マーク・デイヴィスは、こう言っています。この独特のアプローチは私たちの作品(ディズニーアニメーション)の核をなしていた。」
「ディズニーアニメーションはとにかく独特だった。
外から来た者は、ディスニー作品の本質を完全に理解するまで、
ディズニーのキャラクターを描くことはできない!」
このことを知って私はディズニーアニメーションのレベルの高さを、更に実感しました。やっぱりディズニーアニメーションはすごい!同じようなアニメが素人でも作れる。試すことができる。そんなアプリケーションにアドビFlashというソフトウェアがありますが、Flashアニメーションを作るにしてもこれくらいの熱意が必要かもしれませんね!
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。