ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。

徳間書店「生命を吹き込む魔法」

このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。


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カテゴリ「アニメーションの技法2」/15

アニメーション基本原則4-1・「逐次描きと原画による設計」

アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回はアニメーション基本原則4、「ストレート・アヘッド・アクションとポーズ・トゥ・ポーズ」その1

いよいよアニメーションの原則の方も次にいきたいと思います!全開までが基本原則3、ステージング。
今回からは4番目のアニメーションの原則です。
ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)

逐次描きと原画による設計について その1

アニメーションのやり方は大きく分けて2つあります。
ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)とは!?

1つ目はストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)。これはその名の通り、アニメーターはカットの頭から順番に絵を描いて いきます。
1枚目から次々に描いていき、描きながら新しいアイデアを取り入れ、そしてカットの最後の絵(イラスト)に至ります。カットに必要なイラスト(絵)やストーリーポイントは把握していますが、それらをどう具体化するかは、描き始めの時点ではほとんど決まっていません。

一見、行き当たりばったりに見えますが、この方法ではアニメーターのイマジネーション(想像力)を最初から最後までの全てで発揮が可能。これが大きな特徴でしょう。アニメーターはアニメーション作品の全過程で創意を発揮できるので、イラストもアクションも新鮮、力のこもった力作も生まれやすかったことが想像出来ます。


もう1つは、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)です。
ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)とは!?

二つ目はポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)。この方法は、アニメーターはまずアクションの計画を立てます。そして演技内容をアニメートするにはどんなイラストが必要かを考え、サイズやアクションにつながりをもたせながら、イラストを制作します。
それぞれのイラストを原画として描き、できたカットをアシスタントに渡す。それを元にアシスタントが中割りの絵(日本では動画という)を描きます。

この方法ではアニメーターを始めとするスタッフが作品に入り込んでしまう前に、段取りをまとめ、計画に沿って進めます。
アニメーターはアクション、つまりイラストとイラストの関係を重要視しますので、出来上がったカットはまとまりが良く、わかりやすいものになりやすいといわれます。

またこの方法は、前述した一つ目のストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)に比べて、キーになる原画(キー・ドローイング)を良くしたり、動き全体をしっかりとコントロールするために多くに時間がかけられます。


ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)には成り行きの自発性があり、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)には明快さと説得力があります。

アニメーションというのは、その監督さんが大まかな絵コンテを描いてそれによってアニメーターがその絵コンテをもとに、自分なりにアイデアを出して描いています。でもすべては監督が決めることなので、ボツになることもしばしば・・・。
しかしアニメーターが自分の実力、センス、アイデアを試せる絶好の機会なのです!ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)であれなんでなれ、どんなことも起こらないとは言い切れません。

「ストレート・アヘッド・アクションとポーズ・トゥ・ポーズ」
概要をまとめると・・・

ストレート・アヘッド・アクションとポーズ・トゥ・ポーズ、筆者の勝手な解釈でまとめさせて頂きます。

アクション映画を例にすると、最初から最後までサラッと見ることができる、戦闘の描写もつじつまがあっているからストーリーで見られるのがストレート・アヘッド・アクション。一方で戦闘シーンの迫力とディテールに着目、戦闘を見たいから映画を見る、そんな感覚になりやすいのがポーズ・トゥ・ポーズでしょうか。

※現代のアニメーション ・・・ 毎週テレビ放送されるアニメーション、または劇場版アニメーションでも、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)で行われていることがほとんどです。

ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。