ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。

徳間書店「生命を吹き込む魔法」

このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。


LCラブコスメティック。筆者も利用しています。手頃でしかも楽しいサイト。ホームページはキレイで見やすい。
誰でも興味津々の内容だから、暇つぶしにもちょうど良いです。

カテゴリ「アニメーションの技法2」/16

アニメーション基本原則4-2・「逐次描きと原画による設計」続き

アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回はアニメーション基本原則4、「ストレート・アヘッド・アクションとポーズ・トゥ・ポーズ」その2

逐次描きと原画による設計について その2

アニメーションのやり方は大きく分けて2つあります。ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)とポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)。この概要を前回お話しさせて頂きました。続きましてハナシを進めさせて頂きます。

ストレート・アヘッド・アクションとポーズ・トゥ・ポーズ、この2つの方法はそれぞれ別のアクションに適しています。だから2000年になっても両方が使われているんです。どういった感じで両方の方法が用いられるか?一般的にはストレート・アヘッド・アクションが軌道から逸れすぎるのを防ぐため、両者を統合した方法が取られています。

カットに必要な一連のアクションを決め、キャラクターがだいたいどう動いていくかをラフ・スケッチで描きます。 それらのラフ・スケッチはもちろん実際にアニメーションで使うことはありませんが、サイズに位置や姿態、それに背景との関係を考える際に、ガイドラインとして役立つ、いわば簡単な設計図のようなものです。

イラストは必要に応じて枠組みを提供しますが、枠組みにとらわれない方が自然な流れを作りやすいと感じるアニメーターさんも結構いるらしい。


「アニメーターは、出来上がった動きに制作者自身が驚くくらいでなければ!」

彼ら(アニメーター達)は言います。テンポの速いワイルドなアクションについては、ストレート・アヘッド・アクションをベースにした方法をとる方が、事前にあまり細かく計画を立てるより効果が上がるそうです。

レイアウトの中に強いパースがあるとか、イラストを背景に合わせる必要があるという時は、「ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)は、ほとんど役に立たない!」そんなハナシもあります。

あるアニメーターが、1匹の犬が人に注意を引こうとして激しく跳ねまわる様子を作画しました。
生き生きとした滑稽なアクションがうまく出来ているのですが・・・。作者がアクションをレイアウトの制限に合わせなかったため、そのイラストは使えませんでした。

犬の足が地面にちゃんと触れていないので、跳び上がった高さが分からず、パースを計算に入れていなかったために、その絵(イラスト)と絵(イラスト)の関係が狂ってしまったのです。背景がベタ塗りで、何も無いような画面なら、それでも問題は無かったでしょう。しかしそうではありません。個人の技術や能力が重視される仕事でも、最低限の計算力とコミュニケーション能力が必要ということですね。

ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。