ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法2」/12
アニメーション基本原則3-2・「ステージング」アクションとの関係
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アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回は、アニメーション基本原則3、「ステージング(演出)について」その2。
アクションをステージング(演出)するには
基本はこれです。
「一度に目に入るアクションは1つだけ」にします。
なぜかというと、オーディエンスが注目できるのは基本的に一箇所だけ。邪魔なカーテンや間違ったアングルのせいでアクションが見分けられなくなることもあります。また観客が別の動きに気をとられたりしないように注意することが重要で、しっかりと見せたい部分はしっかりと見せなければならないということでしょう。
イラストを描くとき、例えばかわいいから、滑稽に見えるからという理由だけで描いてはいけないのです。ルールや目的に沿ってイラストを作らなければなりません。一度にやるのは1つの動作だけ、というルールは演劇では特に重視されています。
それぞれのイラストは、あるアイデアを最も力強く、最もシンプルにステージングし、それから次のアクションに移るように描くというわけです。
いわば「ココを見て - 次にココを見て - 次はここ」と指し示しているようなものです。またキャラクターが何をしているかわかるように、カメラは、正しい距離に置くようにします。
キャラクターが何かを蹴っているときは、寄って上半身のショットにするのは不必要です。顔の表情見せたいなら、そのキャラクターが背景にまぎれてしまうような、ロングショットにしてはいけません。
オーディエンスに向けたショーを披露するという共通点で分類すると、例えばマジックを行うマジシャンも同じ仲間。観客の目をごまかさなければならないアーティスト、”マジシャン”は、マジックをする舞台と客席が近いとやりやすいと言います。
客席が近いと・・・観客の視点を望み通りの場所に集めるのが、非常に楽だからだそうです。
マジシャンが独りで大きな舞台に立つと、足元や背景、服装、不自然な動きが観客に丸見えになってしまいます。へたをすると、観客はマジシャンが見てほしいと思っている場所には目を向けず、それ以外の場所ばかり見るかもしれません。
マジック、一時期は大流行して、テレビでも良く見かけましたが、大舞台でしかもすごい数の観客の前で披露するマジックが主流といった感があります。それを考えるとマジシャンさんは、いくら技術が発達してもとても大変な仕事なんですね。間違っても私にはとても出来ません(汗)ちょっとした興味本位で修行しただけではダメ、当然ですね。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。