ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法1」/08
アニメーション基本原則1-4アニメーターがアニメーションを作る上で大切な勉強?!
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アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
アニメーションの原則1、「スクオッシュとストレッチその4」。スクオッシュとストレッチについて最後です。
スクオッシュとストレッチその3
スタジオ草創期の絵描き(アニメーター)に与えられた標準課題は、ボールが弾んでいるところを描くことでした。これはただ丸を描くだけだから早く描けるし、変化をつけるのも楽だったからです。
しかし、かなり単純なことと思われがちですが、驚くほど多くのことが学べることでとてもためになりました。
課題で指示されるのは、単純な円をいくつか連続して描いていくことで、ボールが落ちて、地面にぶつかり、空中に跳ね上がり、また落ちるところをあらわすというだけ。弾みながら前に向かっていくボールを描いてもいいし、同じ位置でボールを弾ませ、絵(イラスト)のサイクルでボールのバウンドを繰り返すのがわかるようにしても良いのです。
この課題は単純に思えますが、それをこなすことで1つのカットをアニメートするときの手順が学べると同時に、スクオッシュとストレッチの手法も知ることが出来るのです!
ボールがバウンドする中で動きが速くなっている部分では、ボールの形を変えて描くように言われました。スピード感を出すため楕円形に描かれたボールは、次の瞬間には地面に落ちて平たくなり、スクオッシュ(潰し)によってゴムの柔軟性が表されるとともに、地面にしっかり接触したことも示されます。
アニメーター(絵描き)それぞれの個性や工夫が表れ、新人アニメーターから学ばされることが多くありました。 草創期に集まった絵描きたち(アニメーター)には、創意工夫の才があったのでありとあらゆる手法が試されました。
そういうアニメーターは、メカニカルなタイプのアニメーションを専門とするエフェクト部から、 すぐにお呼びがかかり、それに対して、にぎやかなタイプの楽しませ方に興味を持つものは、意外なオチをつける方を好んでいました。
地面に触れたボールが爆発したり、2度目のバウンドで卵が割れるように潰してしまったり、ボールに羽が生えて飛んでいってしまったりするのでした。 人間、個性は人それぞれ、いろいろなボールの動きが考えられ、アニメーターたちは、若手にしかない新魂を見せました。これが創意工夫の才ですね。
これは現代でもスタジオではありませんが、アニメーター養成の専門学校など行われていることで(ごく一部を除いて)、アニメーターの卵と呼ばれる方達が勉強をする課題になっています。
筆者も小さい頃は、電話のところに置いてあった厚いメモ帳にボール(円)を描いてパラパラ漫画みたいに遊んでいました。別にアニメーターを目指していたわけでもないので、 今、思えば・・・”あ”あぁぁ〜という感じです。興味のある方は、是非やってみてください。カタチを工夫すると結構、面白いですよ。ネタによってはパーディでも使えちゃいます。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。