ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法1」/07
アニメーション基本原則1-3・ディズニーキャラクターの被写体はスポーツ選手?!
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アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
引き続きアニメーションの原則について今回は・・・
スクオッシュ(潰し)ストレッチ(伸ばし)その3です。
スクオッシュとストレッチその2
1930年代の被写体、そんなことを前回、記事にしましたが、やはりアニメーション技術、キャラクターがよりリアルな動き(アクション)をするようなアニメが求められてきます。いや時代が進んでいきますといった方が正しいでしょうか。歴史を重ねていくごとにリアルなものを求められるのは必然でしょう。
リアルな動きを求められる背景の一つに、キャラクターが擬人化されているというのがあります。ディズニーなどのキャラクター、それ自体が人間の言葉を使い会話をする。キャラクター自体が人間的なものとして成立しているからです。
人間がつくる半分擬人化されたキャラクターということで、人間的にキャラクターを作ればはるかにリアルになり、見ている観客は親しみを感じ、愛着を持って下さいます。その上で、今まで使っていた被写体も、”より”リアルさを求められてきます。 繰り返しですね。
そこで被写体として主流になったものは、誰でも手に入る、お店には、必ず売っている。また、気がつくと歩いていて道に落ちていたり、読み終わったらゴミとして、全く意味がないものでした。ということです。
当時の宝の山は新聞のスポーツ欄!
当時、アニメーターが注目したものは、新聞のスポーツ欄。これがアニメーターには「宝の山だ!」といわれるほど被写体のアイデアと技法の参考になりました。
新聞のスポーツ欄には人間が体の各部を伸ばし激しい動きをしながら、ありとあらゆる格好ををしている写真があり、それが人体の柔軟性を見事に示していたのです。何でも簡単にインターネットで検索できる時代とは、時代が違うんですね。アニメーターの方々がクリップして写真集めをしていたのが想像出来ます。
ウォルト・ディズニーを含め当時のアニメーター達が考えてきた「アニメーションの原則」は、腕や脚こぶや膨らみをつくったり、長くまっすぐ伸びたりする中に、はっきりと表れていました。
その他にも喜びや苛立ち、集中心など、スポーツの世界ならではの感情を、スポーツ選手が全身で伝えている写真も沢山ありました。ウォルトディズニーなど沢山のアニメーター達は、このようなスポーツ選手の写真に啓発され、今までと違った角度からものを観察できるようになったのです。
ミッキーマウスなどウォルトディズニー氏の作品のキャラクターでもわかるとおり、アニメーションの世界でメインになるキャラクターは、二足歩行の人間のようなキャラクターが多いです。人間のようなキャラクターの動き、被写体はやはり人間は人間から学べ!ということなのでしょうね。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。