ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法1」/03
ウォルトディズニー「専門用語の始まり」
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アニメーションの基本原則となった手法を紹介していきます。今回はその1です。
最初にまずは専門用語の重要性について。原則(ルール)があるから良い仕事ができるわけですが、その原則をまとめ、実践するためには決まった用語があると便利なわけです。そこで、社内クリエイターみなが理解できる、共通の言葉を決めれば、意思疎通が早く簡単に、また正確になっていくわけですね。
専門用語の始まり
アニメーションの技術が発達しキャラクターなどのイラストを描く上で、その技術1つ1つに専門用語が使われ始めました。技術用語でもあります。
「新しいプロジェクトの計画を練るときは、突っ込んだ研究をする・・・・・・・
表面にあるアイデアだけでなく、プロジェクトのすべてを研究するんだ!」ウォルト・ディズニー。
隠語がスタジオ中に飛び交わった。
- 「エイミング」(狙い) 「オーバーラッピング」(一部ダブらせること)
- 「ポーズ・トゥ・ポーズ」(キャラクターの動作、ポーズからポーズへ)
といったそれらの隠語は、アニメーションの世界が
複雑かつ斬新になっていくにつれて、
アニメーション制作の手順が除々に分化、それずれに名前がつけられました。
動詞が1晩のうちに名詞に変わり、「その人物はもっとスケッチしよう!」が、「そいつにももっとスケッチ入れろ!」になったりしました。
日本語だとなんだかわかりにくいですが、ちょうどテレビや映画制作の一場面を思い出しました。もしかしたらあんな感じでしょうか。あの方々って、動詞名詞がごちゃ混ぜで、業界ならではの言葉になっているところがあるような気がします。
「すごいぞ!この絵!スクオシュ(潰し)を見ろよ!」
キャラクターが平たく潰れた姿をうまくアニメーターが描いたこと。
こうした専門的な技術用語の中には、ありふれた便利な単語に新たな意味を、与えただけのものもありました。
あるカットを「やる」というのは、キャラクターの動きを実演する、(スタッフ同士でポーズをとる)ラフスケッチを描く、そのカットを実際にアニメートする、といった意味です。
あるカットが「あがる」というのは次の部署に回され、レイアウトがあがり、背景があがり、録音(効果音やアフレコ)があがり、最後に1本の映画があがる、ということです。
こういった、アニメーション制作の流れ、専門用語は今も、頻繁に使われているそうです。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。