ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。

徳間書店「生命を吹き込む魔法」

このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。


LCラブコスメティック。筆者も利用しています。手頃でしかも楽しいサイト。ホームページはキレイで見やすい。
誰でも興味津々の内容だから、暇つぶしにもちょうど良いです。

カテゴリ「アニメーションの技法3」/29

アニメーション基本原則9-3・ディズニーの「タイミング」後編

アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回はアニメーション基本原則9、「タイミング」その3

ディズニーアニメーションのタイミング 後編

前回、アニメーションの原則における技法のひとつ、「タイミングに関する例」をお話しさせて頂きました。

今回もタイミングに関すること、作業を行うアニメーターを絡めてのお話を記させて頂きます。

アニメーター(アニメーターの中でもニューヨークから来た人々)がこだわったのは、「1コマどり」と「2コマどり」
これをどう使い分けるか?ということでした。

この数字は、1枚のイラストをなんコマに撮影するかを示しています。1枚を1コマに撮影するのが1コマどおり、2コマに撮るのが2コマどおりです。 1コマどりなら1コマに1枚のイラスト、2コマどりなら2コマに1枚のイラストとなります。

普通のアクションなら1コマごとに違うイラストを使う。これは昔から決まりごとみたいに知られていました。つまり1コアどりが基本です。
しかし、それぞれのイラストが2コマずつ使われていても、1秒24コマで映せば観客は気づきません。

動画というものは何でも、1秒間に何コマという値が必ず定められています。地デジでもゲームでもDVDでも。1秒間に12コマ(イラスト12枚)と、1秒間24コマ(イラスト12枚で2コマどり)なら、完成したものは一緒です。違うのは制作側の都合で、使い方次第でメリットは多数。予想される問題といえば、制作側のコンピューターに掛かる負荷が倍になることでしょうか。


1秒間24コマ(イラスト12枚で2コマどり)、この方法をとるとアニメーターがイラストを描く仕事が大幅に削減できます。アイデア次第で動きを遅くできアクションがなめらかに見えます。しかも速いアクションを2コマ撮りにすると、中割り(日本翻訳で動画)を増やすよりメリハリが出たのです。
中割りを増やすとタイミングが均一になりやすく、活気が失われてしまいます。

こんなことがあるそうです。カメラがパン(弧を描くように動く・撮影しているカメラの動き)する中で、キャラクターの足や背景に接する部分が見えているときは、アクションは1コマ撮りにしてパンの動きに合わせないと、すべったような妙な感じになってしまいうということ。

同様に、カメラがいずれかの方向に動いているとき(これは1コマ撮りにする)は、キャラクターのアクションも1コマ撮りにしないと、キャラクターの動きにガタがきてしまいます。

いろいろわかっていても、何コマ撮りにするかを決めるのは、やはり難しいのでしょう。

1コマどり、2コマどり、アニメーターは常にこの問題に悩まされますが、正しい判断ができるようにするには試行錯誤を繰り返して経験を積むしかありません。アニメーションを作るのもテキストを書くのもイラストを描くのも、なんでも経験、時間はいくらあってもたりないのはみんな一緒なんです。
アニメーション制作スタッフ・アニメ−ターに限らず、どんなお仕事でも経験がものをいうと言うことを再確認させられます。

ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。