ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法2」/22
アニメーション基本原則5-5・「フォロー・スルーとオーバー・ラッピング5」
ジャンル内の記事リスト
ウォルト・ディズニーのアニメーションについて掲載しております!
アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回はアニメーション基本原則5、「フォロー・スルーとオーバー・ラッピング・アクション」その5。
フォロー・スルーとオーバー・ラッピング その5
アニメーションの原則についてお話していますが、その技法のひとつとして、5番目のアニメーション原則フォロー・スルーとオーバーラッピング・アクション(後追いの工夫)については、全開までに記した内容がだいたいの基本になります。
そしていよいよアニメーションの原則技法5フォロー・スルーとオーバーラッピング・アクション、このカテゴリーも最後になりました。 カテゴリー5です。
カテゴリー5にもなれば、ウォルトディズニー自身、またディズニーアニメーションの制作スタッフが賭けたアニメーションに対する情熱が伝わってきます。
カテゴリー5
カテゴリー5は、これまで解説してきたオーバーラッピング・アクションやフォロー・スルーを用いて、最後にムービング・ホールドという、生命感と明快感を新たに生み出す手法(技法)です。
ムービング・ホールドが使われる前まで、それまでは、念入りに描いたイラストが、決めのポーズになる場合、そのイラストをいくつかのコマ――最低8コマ、多くても16コマ位――で止めていました。
観客に時間を与え、キャラクターの姿態を印象付けるのが当たり前でした。その時間は1秒にも満たなかったのですが、それだけ時間を止めているとアクションの流れが途切れて、奥行きが失われ、イラストは平面的・・・、立体感が失われて見えてしまいます。
イラストを「止め」ながら、なおかつ動き続ける方法をなんとか見つけなければ!
この問題は、あるポーズのイラストを2枚にして、2枚ともそのポーズの要素を全て含みながら、一方にわずかな違いをつけることで解決しました。
「キャラクターがポーズを決めたら、それがさらに強いポーズに向かって流れていくようにする」
柔らかい部分にフォロー・スルーを使うことで実質感と奥行き立体感を感じさせ、ドラッグで重量感と本物らしさを出しながらポーズを強化して活気を与えることができるようになったのです。
ムービング・ホールドという技法によってウォルトディズニー、またディズニーアニメーションの制作スタッフに、アニメーションの魔法が目に見えるようになってきたのです
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。