ご紹介中の本は、イラストレーターという職業で生計を立てる筆者が、非常に勉強になった本。イラストレーションやアニメーションの勉強では基本ともいえるバイブルです。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」
このホームページでは強く印象に残った部分を簡単にご紹介させていただいております。あらすじ未満??実際に書籍を購入されると、きっと一生モノの教科書として活躍してくれると思います。
カテゴリ「アニメーションの技法2」/18
アニメーション基本原則5-1・フォロー・スルーとオーバー・ラッピング・アクション
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アニメーションの基本原則(アニメーターたちの基本原則9つ)となった手法についてをお伝えしています。
今回はアニメーション基本原則5、「フォロー・スルーとオーバー・ラッピング・アクション」その1。
アニメーターたちの基本原則9つは全体でこんな感じです。
- 1.スクオッシュ(潰し)とストレッチ(伸ばし)
- 2. アンチシペーション(予備動作)
- 3. ステージング(演出)
- 4. ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)と
ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計) - 5.フォロー・スルーとオーバーラッピング・アクション(後追いの工夫)
- 6.スロー・インとスローアウト(両端詰め)
- 7.アーク(運動曲線)
- 8.副次アクションタイミング誇張実質感のある絵(イラスト)
- 9.アピール(訴える力)
フォロー・スルーとオーバーラッピング その1
フォロー・スルーとオーバーラッピング・アクション(後追いの工夫)についてその1、概要などです。
アニメーションあるカットに登場したキャラクターがアクションをして次のアクションに移ろうとするとき、いきなり完全に動きを止めてしまうことが良くあったそう。
そのカットはぎこちなく不自然に見えたが、どうしたらいいのか誰にもわからなかった。
ディズニーアニメーションスタジオの創始者であるウォルトディズニーはこの問題に気をもんでこう言った。
「物体の全体が一度に止まることは無いんだよ。
最初にある部分が止まって、それから他の部分を止めるんだ」。
やがてこの問題を解決する方法がスタジオ内のアニメーターたちなどアニメーションに関わるスタッフによって開発された。それは、
「フォロー・スルー」、「オーバーラッピング・アクション」(後追いの工夫)などと最初から呼ばれたが、両者の区別は厳密ではなかった。
方法は、だいたい次の5つのカテゴリーに分類できた。今回はそのカテゴリーの1つを紹介します。
「フォロー・スルー」、「オーバーラッピング・アクション」カテゴリー1。
キャラクターの体に、長い耳やシッポやコートの裾などの「出っぱった」部分があれば、そこは体の他の部分が、あれば、そこは体の他の部分が止まったあとも動き続ける。この現象は現実の世界でも容易に観察できる。
それぞれの動きは入念にキャラクターの動きやものが動く、
変化する、タイミングをとり、適切な重量感がでるようにすること。
どんなに誇張した絵(イラスト)でも、それぞれのキャラクターの動きやものが動く、変化する、タイミングをとり、適切な重量感は、自然な感じで継続するようにしなければならない。それを無視してしまうと全く意味のないただの意味のない動画、映像という初期の初期のアニメーションと同じレベルのものしかできません。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
これだけの長い間、愛され続けるディズニーキャラクターは、
イラストレーションを考える上での基本となるポイントが満載です。
徳間書店「生命を吹き込む魔法」というバイブル、
実売で1万円前後と若干高価ですが、興味をもたれましたら、
ぜひ手にとってご覧下さい。