アニメーションの技法
アニメーションの原則10誇張について後編
ウォルト・ディズニーのアニメーションの原則技法10誇張の後編です。
絵(イラスト)のテクスチャアは、イラストの線が込み入った部分と何もない部分、デザインの豊かさ、キャラクターの楽しく溌刺とした外見などで表されます。これらの要素は、ハッピー(ごきげん)のラフ原画とクリンナップの両方に見て取れます。(イラストはブログ参照)
この作画は、ディズニーアニメーター:フレッド・ムーア氏ところで誇張についてですが、前回と同じように、ディズニーアニメーション制作現場の様子、実際にあったお話です。
アニメーターのデイヴ・ハンド(デイブ・スぺクターではありません)氏はあるカットを描いたときに話をしました。
そのカットでは、ミッキーが口笛を吹き吹きタクシーを運転していて、車内のものがゆ揺れたり、跳ねたりしています。角に差し掛かった時、クルマがスリップし、タイヤがパンクして車体が沈んだ瞬間、ナンバープレートが宙を飛んでさかさまに着地、そこには「ちくしょうめ」と書いてある、というお話の筋です。
デイヴは、このギャグはいけると確信し、見逃されることのないように(見る観客の目にとまるように)演出しました。
しかし、デイヴはミッキーのタクシー、クルマ全体のについて念入りに考えることは、しなかった様なのでその絵(イラスト)を見たウォルト・ディズニーはアクションに乏しいと批判し、描き直しを命じました。次に見せた絵(書き直したイラスト)も、『まだ分かりにくい。これじゃ面白くないよ!』と言われました。
デイヴ氏は、紙に穴が開きそうになるくらいまで描いたり消したりを繰り返し、計6回も修正しましたがウォルト・ディズニーは、充分な活気が感じられないと言うばかりでした。デイヴはいい加減うんざりしてしまいました。
デイヴが、ほかに(最後に)考えついたのはウォルト・ディズニーがとてもじゃないが、認めそうにないものだけでした。それは今までウォルト・ディズニーに見せると『そこまでやれと言ってない!』と怒られるぐらい極端な絵(イラスト)にすることでした。そして、もう一度やり直して、おそろしく誇張した絵(イラスト)を描きました。なんだか得意な気分になって、フィルム(アニメーション)ができるのが待ち遠しかったそうです。できたフィルムをムビオラ(フィルムを再生する機械)にセットしたところでウォルト・ディズニーがやってきました。ウォルト・ディズニーは、それを何度か映写し、一歩下がってデイヴの方を見ました。
デイヴはこれは、クビだなと覚悟したらこう言われました。
ウォルト・ディズニー『これだよ、デイヴ、こういうふうにやってほしかったんだ!』 デイヴ「あのときの経験で、ディズニー・スタジオのやり方がわかるようになった。あれ以後は、誇張で苦労したことはない。監督をしていたときは、アニメーターによくこう言ったよ。『ひとつ頼みがあるんだ。僕をカッとさせるくらい(怒らせるくらい)やってくれないか?』ってね」。
なんかいい話ですよね!それにディズニーはもちろんデイヴさんもかっこいい、渋いですね。最初から教えるのではなく自分で答えを見つけられるまでディズニーの見守る姿勢は、すごくいい方法だと思います。
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