ディズニーアニメーションの歴史
アニメーションの原則5フォロー・スルーとオーバー・ラッピングその3
アニメーションの原則5その3
このカテゴリーでは1930年代からのウォルト・ディズニーのアニメーションの歴史・技法を解説しています。
フォロー・スルーとオーバーラッピング・アクション(後追いの工夫)についてその3
現実の世界では物体や生物など動きが止まる瞬間というのは、必ず物体・生物の全体が「ピタッ」と止まるのではなく必ず部分(パーツ)ごとに止まります。
「クルマは急に止まれない」と言いますが、クルマが急ブレーキ(制動)をかけ、タイヤをスリップさせて前のめりになり、タイヤ自体が止まって前のめりになっていた反動が後ろに帰ってきて「ポヨンポヨン!?」みたいな感じでやっと全体が止まります。
ウォルト・ディズニーの時代1930年代のアニメーションはこのことを誰一人として違和感があって気づいていたとしても全くやっていませんでした。方法がないと誰もが諦めていました。
しかし、アニメーションの常に先、究極、リアルさを追及する事にウォルト・ディズニーはこのフォロー・スルーとオーバーラッピングアクション(後追いの工夫)前文のクルマの例のような問題を解決する方法を考え出しました。それは5つのカテゴリーに分類されていました。
今回はその3です。
(絵)イラストは速い動きの中で、皮膚がだぶついているのが、リアリズムの感じを出していますね。(絵)イラストだけ見ると大げさですが、アクションの中ではだぶつきは、目立ちません。
3.太った人物の頬やドナルドの胴体やグーフィーの全身のように、キャラクターの体にたるんだ部分があれば、そこは骨格より動きが遅くなります。
アクションの中で一部が後からついてくるこの手法は、「ドラッグ」{引きずり(のこし)}などと呼ばれ、生き物の姿に柔らかいところと硬いところがあるという実在感を出すのに役立ちます。この手法、「ドラッグ」{引きずり(のこし)}は、うまく使えば、フィルムを映したときにはほとんど目立たない。
アニメーターは、瞬間瞬間をとらえ、その一瞬に見えるはずのキャラクターの姿を描く。つまり四次元の絵(イラスト)は、1枚ずつ見るためではなく、決まった速度で続けて映写したとき初めて「もの」になるように設計されている。コメディのアクションはこの、「ドラッグ」{引きずり(のこし)}の原則にのっとったものがすごく多いです。
キャラクターが走り出すと体のたるんだ部分が遅れてついていき、ついには骨格だけが走り去って外側の肉だけが残る、というのがその例です。こういう誇張は短編のくすぐりに使われるが、このような<フォー・スルー>が本領を発揮するのは、もっと手のこんだ使い方をしたときであります。
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