アニメーションの技法
アニメーションの原則4逐次描きと原画による設計・中割りの重要さ
アニメーションの原則4
ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)とポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)についてその3
普通は、ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)が軌道から逸れすぎるのを防ぐため、両者を統合した方法が取られていることについてお話しましたね。その続きをお話します。
様々な演技がつながっている場合も、別のアプローチが必要です。
例えば、しょんぼりしているミッキー・マウスが、観客に背を向け、両手をポケットに深く突っ込み、一度だけちらりと振り向き、足元の石を蹴って、立ち去るとします。このカットでは、各ポーズの明快さやアピール(訴える力)や伝達力が最大になるように注意深く扱わなくてはならないので、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設定)を使います。それぞれのポーズは、個別に処理しますが、同時に全体的な調整行って、効果をできるだけ高めるようにします。
各ポーズがうまく連結すれば、あとは中割りの絵(日本語で動画)を計算してアクションをブレイクダウン(分解)していくだけ。ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設定)、2つの方法のどちらかを使うか決める際には、「テクスチュア」も考慮しなければなりません。
一連のアクションが、すべて同じ激しさで動きの量も同じだったら、たちまち冗漫で陳腐に見えてきてしまいます。インパクトはどこにも無いものになるのです。その反対に、全体の構造の中に、アクセントや動き、なめらかなアクションと「ぎくしゃく」した短いアクションの対比、予想外の間合いがあると、通して見た時楽しさがでてきます。それは、ストレート・アヘッド・アクション(逐次描き)では描けません。
ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)を使えば、さまざまな動きを含んだテクスチャを考案することができるし、全体的な表現の一部分として機能するようにアクションを設計することもできます。
ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)を最初に使ったアニメーター達は、手っ取り早く結果を出すことに気をとられ、その方法がもたらす素晴らしい未来に気づかなかった。キャラクターの画面上の位置は、気にしたが、人を楽しませる可能性についてはあまり考えなかったのです。ジブリの映画ゲド戦記がいい例です。「この男はここにいて、まず帽子を、次に杖を手に取る。6、7枚原画を描いてあとは中割りの絵(日本では動画)を入れれば、このカットは一丁上がりだ!」。
こんなやり方で、それぞれのポーズを連携させることを考えなかったらそのカットは不自然さでぎこちないものになってしまう。
結局、ポーズ・トゥ・ポーズ(原画による設計)が真価を発揮するようになったのは、強力なポーズが開発され、タイミングの技術が進歩し、(副次アクション)がうまく使われるようになり、さらに(ムービング・ホールド、後の回でお話します)が生まれてからのことだったのです。
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